料理や洗濯や家事のめんどくさいアレコレを母親に一任できたら小説もさぞ進むことだろうと思って長いこと帰省しているけど今日なんかレポートが終わった解放感に任せて買った1000ピースのジグソーパズルを匿名ラジオを聞きながらつくっていただけでまる一日…

10/20

「たとえば、」という書き出しで小説を書きたいなあと2年前くらいからおもっており、実際に2,3回書いてもみたんだけどしっくりこず、最近は書くのがもうこわくてこわくて仕方なくなってしまってめっきり文章を書かなくなってしまった。最初の1行は無責任…

若者のすべて

8/6 さいきんはまたハヌマーンとかナンバガとか聞いている。夏だからなんだろうか。たしかに炎天下を歩いて熱気にキレていると山田亮一のどうしようもなく駄目な感じの歌詞も向井秀徳のテレキャスターのギラギラした音もすごくフィットする感じはあるが。そ…

6/9

カレーを作るたびに、しこたま入れた玉ねぎのすがたがまだ残っている、もっと時間をかけて昼間から煮た方が、と思うんだけど、美味しいと言ってくれるので、実際にうまいので、まあいいか、と思ってなあなあにしてあったりする。さいきん象徴的だなと思った…

アニメについてちょっと書いた記事が下書きのままほったらかしになっていて、これもなんとかしなきゃなと思う。旅行の洗濯物が残っている。研究室から借りてきた本を返しそこねた。ペットボトル、飲んだまま放置。なんでテーブルにラップが出っぱなしになっ…

二十歳になります

こんな時間に小腹が空いて、コンビニの袋を下げて歩きなれた暗い道をぶらぶら歩いていたら、またトラックが追い越し、圧倒的にひとりで、冬の感じがつよくして、そういえば来週にはもう二十歳になるんだった。 誕生日を祝ってもらえた経験と結びついているの…

出先の暇の話

いま読んでる吉田健一の「乞食王子」で、都会はどんなに音響的に騒がしくてもひっそりかんとしている(ひっそりかんとしているというのがすごくいいと思う)けど田舎は自然のせいでとにかくうるさいみたいな話があって、今ちょうど父親に連れられて長野の山…

七月になった

日影が青くなるほど晴れていて夏だと思う。全部合わせたらまあ4時間くらいは寝てたはずだけど起きて朝が来るのを見届けてしまったもんだから正当な手続きを踏まずして七月二日に来てしまった気持ちでいて、ねむけで手先が狂う。 空気公団の新譜をspotifyで聴…

日常・旅行・反復

友人にけっこう結婚式場でバイトしている人が多くて、思うのは、毎週毎週いろんなところでいろんな人が一生に一回かもしれない、まあまずどんだけ多くても十回もしないだろう、結婚式を挙げていて、それはそれぞれの人にとってはもしかしたらあとで思い返せ…

言いたいことがあんまりない

これは本当なのだけど言いたいことがなくて、ブログの更新はこの通りいつぶりだかわからない。twitterも最近あんまり動かしていないし、人と会っても中身のない、文脈任せの内輪ノリみたいな会話しかしない。情報の行き来がない会話しかしていない。情報の行…

さいきん

夜、映画を見終わる。これがなにせたいへん良かったのでパンフレットを買ってついでに映画館のポイントカードを作ってもらって、ともたもたしていたら目の前で帰りのバスを逃す。といっても風も雪もなかったから大して寒さを感じていなかったし、あと、映画…

年越し

2018年の1月8日を生きている。閉店六分前のスーパーマーケットの回収ボックスに瓶と牛乳パックとペットボトルと缶を出しに行くという努力によって昨日の1月7日のぼくから祝福された一日を生きている。365日ひたすら労力を費やして2017年のぼくがみっちり祝福…

Faces of Strummer

窓のそとを流れていく、車のヘッドライトや街灯のまぶしさに塗れたコンクリートのうえの雨を見るためにこのバスに乗り込んだんだったらよかったのに。なんにも考えないで無造作に席に座っている、ぼくはこまかい動作でいちいちかっこつけなくなって、かっこ…

窓・壁

そりゃもちろん、暑い時期は窓なんか閉め切って冷房を効かせるに決まっていて、かといって寒い時期は寒い時期で暖房が要るからやっぱり窓は閉まっているはずで、当たり前にもほどがあるけれどあらためて、こうやって夏のくたばっていく日々のいくつかを外に…

近況

なんとなく昼間見始めた映画が、ついたり消えたりして九時ごろ、ようやく半分くらいまで行ったあたりで、演出上の都合ではさまれた静けさに、釣銭が6枚落ちる音と缶のプルトップが起きる音とひとの咳、爪、たぶん人差し指の、が薄っぺらいアルミ缶をかつかつ…

旅行

そこから帰るのには六時間かかる。各停しかないローカル線をつかって新幹線の通る駅まで、おなじ電車に三時間乗り続ける。中学生だか高校生だか、集団で乗り込んできて人口密度が増したから、知らない街で買った真新しいシャツがまた汗に湿った。網棚の上に…

こい緑がぼくを

山の天気は不安定だ、窓の外で雨の急に強まるのが聞こえて、びっくりしてカーテンを開けると赤い折り畳み傘をさしたひとがそこの大通りを左へ歩いていくのが見えた。たとえ天気が良かったって今日はなんにも出かける用事なんかないし出かけたい気持ちもない…

五月

音楽の途切れた部屋になにか生きものの息遣いみたいな音があるのに気づいて、皿を洗いながらちょっと怖くなる。洗濯機の回っている音だと気づいたときには逆にもっと怖くなった。ついさっき自分で回したのに忘れていた。来てすぐ、自分で洗濯をすることに慣…

クリープ

部屋にはベランダがないので洗濯物を干すとなると窓のそばにかかっている2メートルくらいの物干し竿に昼間洗濯物を干して、寒かったり暑かったりしない限り窓を開けておき、ぼく自身は風が直接当たらないベッドのほうで音楽をかけて本を読んだりしている。…

四月

今日は一限から授業で、眠いし寒いし行きたくないんだけど仕方ないのでぼちぼち大学まで自転車を漕いでいた。大学構内に入って、桜の木の並んで立っている下り坂に差し掛かり、さっきまでの長い上り坂で乱れた息を整えて視線を上にあげたら、どの桜もやたら…

たぶんエアコンの室外機とかそうでなければ観葉植物とかを置く為のものだと思うんだけど、窓から外に付きだしたベランダのミニチュアみたいな空間がある。小学生の頃帰り道に買ったコーラの缶をなんでかそこに置いて、今もそのままで、強い風が吹いて窓ガラ…

東京

東京駅の角っこにあるスターバックスでスーツ姿と並んで本を読んでいたら、音程のないぼやぼやしたパイプオルガンみたいな音が急に聞こえてきて、なにかと思って耳を澄ませると、どうもそれは高速バスから降りて駅に一挙に入ってきた人たちの足音や声が駅の…

卒業

駅の切符売り場で、ぼくは財布をさがして鞄を漁っている。探す時間が長引けば長引くほど、ああぼくはかっこわるいなあと心底惨めな気持ちになり、焦るというより脱力してしまい、さらに見つけるのが遅れていく。イヤフォンから流れてくる8ビートにイラつい…

トラベルプラン

ようやっと受験が終わったっていうのに解放感とかは別になくて、そりゃここ一ヶ月勉強してなかったから当たり前なんだけどなんとなく拍子抜けしている。 思ったより簡単に終わったしあんなに思いつめなくてよかったなとか、結局またまじめに頑張らないままや…

整理

「部屋」というタイトルの記事にしようと思ったんだけど、おんなじタイトルで前に書いてたので、やめた。まだ一人称に「私」を使っているころのやつだ。読みかえすと恥ずかしい。思えば、ずいぶん性分に合わないことをやっていた。なにも言いたいことなんか…

冬/街/これからの生活

冬が好きだ。十二月のつめたい空気と明瞭な陽の光のなかでは、自分自身の輪郭も、いいかげんみすぼらしくなってきたコンバースの汚れ、ポケットでくしゃくしゃになったレシートの感触、ベンチに座る女の子の烏色のコートのほつれ、バス通りに流れ込む車のエ…

バースデイ

誕生日だ。18歳になった。でもきのうの風邪がまだ続いている。熱は引いたけどなんとなくだるい、くらいの中途半端な体調で、自分の体ながらなんだか居心地がよくない。べつにパーティがあるわけでもなし、問題はないんだけど、ちょっと幸先わるい。 学校を…

十月

今日は体育大会だった。残念ながら晴れた。遺憾ながら健康だった。ので、行った。 すこし走って、やや跳んだ。あとはじっとして長いこと本を読んだ。盛り上がる応援席のすみっこで、ひとりだけ葬式会場にいる( 葬られる側で)みたいな顔で村上春樹を読んで…

言いわけ

また小説を書いた。掌編にも満たないくらいの量だけど、時間はけっこう喰ったはず。思いついたふたつのフレーズの間を埋めて文章にする、って手法をつかってみた。それが時間喰った原因かも。でも、浮かんできたことばからイメージを膨らませてそれを入れこ…

火曜日/保健室

「 保健室行ったって先生に言っといて」 「 わかった」 三限目と四限目の間、九月六日最初で最後のクラスメイトとの会話を終え、るんるん気分をひた隠しに、ふだんから辛気くさい顔をさらに辛気くさくさせて教室を出る。完璧に踵がつぶれて外目にもスリッパ…