部屋

「部屋は人の心を映す鏡」という話。あれはたぶんウソだ。もし本当だとしたら、世界中のあまねく人間の部屋が私の部屋並みに汚くていいはずである。

何が言いたいかって、私の部屋がいま、人間の心くらい汚いという話だ。

 私はテスト期間に入ると部屋を散らかすタチだ。「試験期間中部屋を掃除したくなる」とかいう、たまにあるあるとして聞く話もまったく共感できない。

試験期間になると他のことをしたくなる、というのはまあわかるけど、なんでそこで部屋の掃除を選ぶのか。私の場合は昔に読んだ漫画を読み返したり、昔やってたゲームを掘り返して始めたりする。

そうして、ああそういえばあの本どこ行ったんだっけあれどこにもねえなちょっと探すか、とか思い立っては机の上に山積するさまざまを引っ掻き回して探す。見つけたときには部屋は足の踏み場もない地獄絵図であるが片付けはしない。なぜなら見つけた本を読み終えたころには、机の上の提出物もまっさらなままでテストが前日に迫り、部屋の片付けなんかしている暇が無くなっているからだ。

そして、私の通う学校の学年末テストが終わったのが昨日であり、そういうわけで汚い私の部屋だが、これからいくらか片付けてこようと思う。甘美なネットサーフィンの楽しみを振り切って部屋の片付けに挑む、高潔な精神の私にしたって部屋は散らかす。やっぱり「部屋は人の心を映す鏡」なんて話はウソっぱちだ。