2016-01-01から1年間の記事一覧

整理

「部屋」というタイトルの記事にしようと思ったんだけど、おんなじタイトルで前に書いてたので、やめた。まだ一人称に「私」を使っているころのやつだ。読みかえすと恥ずかしい。思えば、ずいぶん性分に合わないことをやっていた。なにも言いたいことなんか…

冬/街/これからの生活

冬が好きだ。十二月のつめたい空気と明瞭な陽の光のなかでは、自分自身の輪郭も、いいかげんみすぼらしくなってきたコンバースの汚れ、ポケットでくしゃくしゃになったレシートの感触、ベンチに座る女の子の烏色のコートのほつれ、バス通りに流れ込む車のエ…

バースデイ

誕生日だ。18歳になった。でもきのうの風邪がまだ続いている。熱は引いたけどなんとなくだるい、くらいの中途半端な体調で、自分の体ながらなんだか居心地がよくない。べつにパーティがあるわけでもなし、問題はないんだけど、ちょっと幸先わるい。 学校を…

十月

今日は体育大会だった。残念ながら晴れた。遺憾ながら健康だった。ので、行った。 すこし走って、やや跳んだ。あとはじっとして長いこと本を読んだ。盛り上がる応援席のすみっこで、ひとりだけ葬式会場にいる( 葬られる側で)みたいな顔で村上春樹を読んで…

言いわけ

また小説を書いた。掌編にも満たないくらいの量だけど、時間はけっこう喰ったはず。思いついたふたつのフレーズの間を埋めて文章にする、って手法をつかってみた。それが時間喰った原因かも。でも、浮かんできたことばからイメージを膨らませてそれを入れこ…

火曜日/保健室

「 保健室行ったって先生に言っといて」 「 わかった」 三限目と四限目の間、九月六日最初で最後のクラスメイトとの会話を終え、るんるん気分をひた隠しに、ふだんから辛気くさい顔をさらに辛気くさくさせて教室を出る。完璧に踵がつぶれて外目にもスリッパ…

混線と五か月

首を振る扇風機と蛍光灯の青白い光、窓から吹き込む夕方の風と赤い斜陽、人造対自然、ぼくの部屋で繰り広げられる二対二のデスマッチは、扇風機のコンセントを引っこ抜いたぼくの介入によりあっけなく終焉をむかえた。 扇風機の風にあたっているとなんとなく…

雑記

書くことはとくにないけどなんとなくブログが書きたくなる。そういうこともある。 こないだ小説を書いた。なんとなく構想を練りながら、これ途中で投げるかもしれないなーと思ってたんだけどちゃんと終れた。一気に書いたのがよかったんだと思う。小説の文章…

扇風機

きのうの夜、扇風機の前にすわって、その羽の回るのをぼーっとながめていた。無意味に限界までひねったタイマーが律儀に百二十分きっちり計ってて申し訳ない気もちになった。 扇風機が規則的に首を振る。その姿はとても健気だ。こんなに感情移入のしやすい家…

咀嚼

先日、歯医者に行って虫歯を直してきた。計三本。ついでに歯石も取ってもらい、磨き方が雑だという注意もいただいた。ぼくはむかしっから歯について無頓着だ。適当な歯ブラシと適当な歯磨き粉で適当に磨いている。 毎日使うものなんですから、って先生は言っ…

「シン・ゴジラ」を観た(メモ)

すごい映画だった。 未だに考えがまとまってなくてきちんとした記事には至りそうにないんだけど、かといってツイッターのほうに書き散らせばひどいネタバレになるなあと思ったので、雑然としたメモでいいからと、残しておきます。三回目見たらもーちょっとち…

ねむすぎる

世界史の予習。たいくつだ。ぼくは趣味の傾向をかんがみるとふしぎなくらい歴史に興味がない。歴史ってのをどう楽しめばいいのかいまいち、わからない。知的好奇心とかもあんまりないし。自己実現がないから知ろうともしない。 「うそみたいな歴史的事実!」…

展望

こないだの三者面談。志望校を決定した理由に、雰囲気、と答えたら、もうちょっと将来のことを考えてみたらと、軽く呆れた顔で担任の先生がいった。 雰囲気じゃだめですか、と聞くと、いやだめじゃないけど、さすがになにも考えなさ過ぎじゃないかな、と。母…

Don't Summer

一昨日。三時間睡眠のいちばんハッキリしない頭で自転車を漕ぎ、終業式の小一時間を爆睡、帰りに友人の家でスマブラして。帰り道を自転車でたどりながら、そういえばそろそろ八月だな、っていうか今日から夏休みだな、って、五時を過ぎてもまだ日の沈んでな…

技法

昨晩えらく陰鬱で混乱した記事を書いてしまったので今日は混乱しながらでも比較的ゆかいなことをかいて記事にしようと思う。 ひどく弱っちいぼくの自意識でものごとを左右させるのはひどくむつかしく、逆に自意識のほうが左右されてしまうのが常だ。自分で書…

くだ

中学の頃からの友達とひさびさに会って、出かけ先でいろいろ話した。 あっちには夢があって、そのためにいろんな苦労をして、学校もやめたりした。苦手な長期的な計画とか、同年代のまわりにいない孤独とも、がんばって戦いながらちょっとずつ自分の場所を作…

逃げろ

夜中の自己嫌悪の膨張がいよいよ耐えがたくなって、勉強しようって倫理の教科書を開くけど、机に向かうのがつらいので、枕を持ってきて床にひっくりかえって読む。円い蛍光灯の光に透かされた指のさきの爪が思ったより伸びている。こないだ切ったばっかりな…

まわる

中古で買った文庫本に栞がはさまっていた。片面には出版社のロゴマーク、その裏には名まえもしらない「 高名な学者」の名言が印刷された、ぺらぺらなやつ。じゃまだったので片手でぽいと床に投げたら、栞はくるくる回転しながら落ちた、その細長い長方形を縦…

「 ライオン丸G」を観ました

ビデオ借りてちびちび見てたのがようやく最終回まで漕ぎつけたので感想を書きつけておきます。結論だけ先に書くとおすすめはしません。おもしろかったけど。 特撮ヒーロー番組っていったらだいたい仮面ライダーとかスーパー戦隊とかウルトラマンとか、子ども…

「 コンクリート・レボルティオ」をみました(とりあえず二話まで)

二クール目、THE LAST SONGはのちのち別記事をもつことにして、とりあえず一クールみたとこの感想を、一話ずつ分けながら書きつけておこうと思う。できるだけぼやかしていきたいけど無意識のうちにこぼしちゃうネタバレもあると思うので、未視聴のかたは避け…

村上龍「 海の向こうで戦争が始まる」を読んだ

同著者作はついこないだデビュー作から入ったので、折角だから発表順に追っかけてみようというこころみのもと、とりあえず、二作目であるこの作品を読んでみた。前作とくらべると、さすがにはじめて村上龍にさわった衝撃がないぶん読了後の感慨は比較的ちい…

時計回りの

グラウンドがきのうの雨で濡れていること、クラスメイトが大声で、こんなに晴れてんのにと、嘆く。窓外、たしかに運動場は水たまりが世界地図みたいにたくさんできているのに、空にはきれいな入道雲が出ていて雨の気配なんて微塵もしなかった。明日も雨らし…

昼休みに寝た話をします

ぼくの昼休みの過ごしかたは、図書館に行って読書をする、自習室に行って宿題をすます、イヤフォンをはめて教室で寝る、の大きくみっつに分けられる。どの選択肢にも自分以外の人間が登場しないのはご愛嬌だ。 で。今日の昼休みは、読みかけの本を忘れて、出…

雨に唄えれば

雨は昼過ぎに数十分だけ、どしゃっ、と降った。それが止んだのを見はからってぼくはスピーカーの電源を切って、部屋の換気をする。音楽を流すときは近所迷惑にならないように部屋を密閉しているので、ながいこと聴きつづけていると部屋が蒸してくるのだ。開…

ここ二三日のきもちわるいことリスト

こないだ、前の記事で描いたようにクローゼットを整理してから、部屋のにおいがすこしだけ変わった、というか、軽減された。ずいぶん過ごしやすくなったしこれで勉強もいくらか進むようになるかもしれない、とうれしく思うけど、それでいて、においが変わっ…

精神的整頓

午前中いっぱいをつかって部屋のクローゼットを整理した。理由はお察しの通り受験勉強からの逃避だ。勉強しなきゃと思うと部屋を片づけたくなる、という学校でよく聞くあるあるに、これまで勉強しなきゃとか微塵も思ってこなかったぼくは、いまやっと同意し…

田中慎弥『 切れた鎖』を読んだ

まえに読んだ『 共喰い』の長い感想をこっちで描こうと思って結局断念してしまったので、リベンジ的な意味も込めまして、短編ごとにぼつぼつと。けっこうガッツリネタバレをするけど、田中慎弥の小説に意外性を求めるひとはおるまいと思っている。 不意の償…

アナーキー・イン・ザ・1K

勉強がやだ。でも受験滑りたくない。いまぼくのこころの地平ではその二つの気持ちが完全に拮抗・激突している。その激戦の余波が、ますます栄えていく幼稚性の都市とゆるやかな発展をみせていた文学性の集落に壊滅的な被害をもたらす。なにもない荒野が拡が…

逃避

昼休み、学校の食堂裏の自販機にもたれかかってぞろぞろとコーヒーを飲んでいたら見覚えのない顔の女子生徒が半笑いで、「 おぼえてる?」なんつって話しかけてくるから、いやおぼえてるどころかまずしらないしどなた?なんでぼくの名まえ解るの? 怖いよ。…

村上龍『 限りなく透明に近いブルー』を読みました

読書メーターにだいたい大まかには書いたんだけど。でもちょっとあれだけの文章で済ませるのも勿体ないなと、いうわけで以下感想。 村上龍の著作が共有する核は、このデビュー作の中で既に完成しているんじゃないか。ぼくは村上龍の小説を読むのはこれが初め…